2013年7月18日木曜日

250

「どうすれば麻雀上手くなりますか」
 最近うちによく来てくれる三人組の学生から聞かれた。そんなもんが分かったら苦労しない。それにそれを考えるのが楽しいんじゃないか。と思ったが、あまりにも答えに期待している目をしていたので師匠に教えてもらったゲームをすることにした。

 250

 今はオーラス。持ち点は皆25000。私が親で、学生が子。三万点に達さなければゲームは次局に持ち越し。

 学生たちが皆必死に手作りを始める。3900だと達さないが5200だと到達できる。私の師匠はおそらくそれを教えたくてこのゲームを思いついた。だが、弟子の私たちはこのゲームでそれ以上のことを学んだ。

 学生の一人からリーチがかかる。他の学生は悩むも、無筋を強打する。ささり、リーチ者が一発を含めた5200をあがった。
「なんでいま押したの?」強打した学生に聞いた。
「押さないとあがれないじゃないですか」と答える学生に、「ばかだな、おりれば持ち越しだったのに」と友人たちが非難する。

 そう、そこなんだ。
 
 押し切れば勝てる。
 降りておけばチャンスがあったかも。
 麻雀の上達はこの感覚の繰り返しだ。弟子の私たちはこの嗅覚を散々経験した。こいつは期待値なんて当てにならない。オーラスは皆がけっぷちだ。自分の磨いた鼻を信じるしかない。


 学生たちは皆楽しそうにこのゲームを一晩中していた。三人麻雀でもできるようにルールを考えないとなあ、と眠い頭でぼんやりと思った。


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